長谷川智恵子『鴨居玲 死を見つめる男』講談社

ネタバレ特になし。

画家・鴨居玲の評伝。

…というレベルのものではなく、せいぜい回顧録って感じだな。親交の深かった日動画廊副社長である著者の視点や交友範囲の中で、鴨居という作家の人を惹きつける魅力や、画家としてのキャリアはなぞられ描写されているけど、その画の引力の源や、それこそタイトルのように鴨居がどのように「死を見つめ」ていたのか、不可知の部分が大きいのはもちろんとしても、少しでも覗き見られるような内容になっていないのは残念。

高梁市の美術館での回顧展に行けなかったのが痛恨だが、ひろしま美術館にも所蔵作はもちろん縁のスポットがあるとのことなので、カフェに座って芝生を眺めることにします。

評価はC。