柳広司『吾輩はシャーロック・ホームズである』角川文庫

ネタバレ注意。

英留学中の夏目金之助が心を病み、自らをシャーロック・ホームズだと思い込む中で殺人事件に巻き込まれる、ユーモア・パスティッシュ

作者らしい上質なパスティッシュです。ヴィクトリア期ロンドンの風物や、霊媒師と降霊会などいかにもなガジェット、ホームズ原典の取り入れなど、過不足なく、雰囲気よくまとまっています。

ただ漱石とホームズを絡めるというメインのアイデアには既視感があり、全体に刺激に乏しいきらいも…。

評価はC+。