津原泰水『11』河出文庫

ネタバレ注意。

11編収録の短編集。

フリークス・ホラー、幻想小説、果てはSFをゴッタ煮にしながら、美意識を背骨に美しく統制された傑作「五色の舟」を劈頭に置き、続く作品群もまあ、オリジナリティと完成度に比類のない作品集。「微笑面・改」とかも、こんなに痛くて怖いのに同時にバカバカしく、しかしどこまでも耽美的であるのはどうしたことかと思います。

これからもずっと、この世界に共鳴しうる人々に大事に読み継がれていく作家だと思います。

R.I.P.

評価はB。