栗原康『大杉栄伝 永遠のアナキズム』角川ソフィア文庫

ネタバレ特になし。

1918年、米騒動から始まる、アナキスト大杉栄の評伝。

栗原節、エッセィなんかよりクセ抑えめだけど、独特のリズムは健在で、大杉とその周辺のアナキストたちの、真っ当で自由な発想と行動と感受性を、生き生きと伝えてくれる。一次資料を中心に、人物像というより思想に重点を置いた硬派な内容でもあるが、あっという間に愉しく読みました。ここで描かれているような爆発…生命の在り方が、本来当たり前で、だからこその「永遠」であるはずなのだけれど。

白井聡による痛快な解説も出色。

評価はB。