恩田陸『夜の底は柔らかな幻』文春文庫

ネタバレ注意。

「途鎖国」における超能力者たちの抗争を描くSF長編。

序盤、独裁国家潜入みたいなノリ、あるいは『MONSTER』のコミューンみたいなノリ、そして死国・途鎖の風物、なかなかいい雰囲気でテンション上がったんだけど、残念ながら物語が進むにつれて、そうしたイメージの統制もどんどんグダグダになっていってしまった。

こうしたイメージ先行型でソリッドさが不足するあたり、恩田SFの弱点を再認識する結果に。キャラクタも、それぞれカブってる部分が多くて、練りこみ甘いなーと思ってしまった。

評価はC。