東野圭吾『美しき凶器』光文社文庫

ネタバレ注意。
マッド・ドクタに唆されてドーピング・トラブルに巻き込まれ、やがて殺人に手を染めたアスリートの男女が、超人的な身体能力を持つ復讐者(娘)に追い詰められる、アクション・サスペンス。
エンタテインメントに徹した筆致で、持ち味のリーダビリティが十全に発揮された作品。どんでん返しはそれによってタイトルの意味が重層化するところも巧いと思ったし、ラストは若干のベタさを感じさせつつ確かに哀切ではあり、エンタメ・ミステリとして正しい態度。
東野作品中では個人的に貴重な、好感度の高いエンタメでした。
評価はB。

美しき凶器 (光文社文庫)

美しき凶器 (光文社文庫)