永瀬隼介『永遠の咎』光文社文庫

ネタバレ一応注意。
池袋の無認可保育所を舞台に、いくつかのダメな人生が交錯するクライム・ノヴェル。
んー、やっぱりこの人は個人的にあまり好感度の高い作家ではありません。題材の採り方と処理が「浅い社会派」じみてて厭な感じだし、その「思想」の下に動かされる登場人物も、一人の人間としての像を結ぶことなく、ただ作者の都合で思考と行動を変遷させる紙人形めいています。
一定のリーダビリティは認められるようにも思いますが、轡田ってキャラも最後まで「凄味」がスベってるし、タイトルの含意が虐待死ってのもあまりに安易。
こういうのが最も安直な意味での「社会派」だよな。それでも山田某よりマシだけど。
評価はC。

永遠の咎 (光文社文庫)

永遠の咎 (光文社文庫)