井上雅彦『くらら 怪物船團』角川ホラー文庫

ネタバレ特になし。
開発に揺れる港町に様々な怪異が惹起する長編ホラー。
視点人物も、怪異の情景も多彩に入れ替わるんだけど、それがそのまま、お話としての散漫さに繋がっている印象だった。本当に描きたかった恐怖がなんだったのか伝わってこなかった。
オチもよく分からなかったし、文章も香気を欠いている。舞台だけ揃えた連作短編にでもした方がよかったのでは…。
評価はC。