ネタバレ一応注意。
名探偵・「密室蒐集家」が時空を超えて、五つの密室殺人事件を解決する連作短編集。
アイデアと技巧の凝らされた、確かに質の高い密室パズラが並んでいるとは思う。「密室」がそれぞれ、「アリバイ」や「叙述トリック」といった、本格のジャンルに変位していく趣向も心憎い。「少年と少女の密室」「佳也子の屋根に雪ふりつむ」はその点で双璧。
しかし正直、印象としてカタルシスに乏しく、事前の期待が大きすぎた感があったのも事実。それが何に起因するのかは微妙な問題だけど、小説としての生硬さに起因してる部分は大きい*1かな…難しいな本格ミステリ(読み)ってのは。
評価はC+。
- 作者: 大山誠一郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/11/10
- メディア: 文庫
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