北山猛邦『人魚姫 探偵グリムの手稿』徳間文庫

ネタバレ注意。

19世紀北欧、人魚姫の姉妹が絡む王子殺人事件に、黒衣の探偵・グリムと、少年ワトソン・アンデルセンが挑むメルヘン本格長編。

メルヘンを用いた特殊状況だけど、やっぱ全体的に淡泊…悪く言えばチープで、ちょっともったいない感じ。探偵/ワトソンの二人もそうだけど、もう一人登場する実在人物絡みのプロット、今でも結構面白いホワイダニットなんで、もっとうまくカタルシス演出できた気がするんだけどな。

…まあでも「物理の北山」ですから、あの「画」をやりたかったんだろうから、力点がそこにないのは仕方ないやね。

評価はC。