『ファーゴ』

DVD。
コーエン兄弟祭開催中。アメリカ北部の片田舎で起きる、狂言誘拐に端を発した殺人事件を描くクライム・サスペンス。
画も音楽も素晴らしいし、アクの強い俳優陣*1もいい仕事してる。プロットにあまりケレンのない*2、尺も100分弱のストイックなサスペンスだけど、滑稽さや哀しみもしっかり描き出せて、ラストの余韻も深い、クライム・サスペンスの佳作です。コーエン兄弟の最高傑作に挙げる評も目にしていたので、ちょっと事前の期待が高すぎたきらいはありますが…。
しかしこの映画の最大の魅力は、身重にして圧倒的な有能ぶりを示す女性刑事、マージの魅力と存在感。クズか無能しか出てこない映画の中に、彼女が発揮する生命力と機知は、人生の価値のなんたるかを教えてくれます。ラストの余韻をまで一人で担って、まさに怪傑無双…って、ジョエル・コーエンの嫁かい!

*1:W.H.メイシーは、最初らしくなくマトモな役かと思ったら、やっぱ最高に情けなかった。マージから逃げ出す前後のシーン最高。ピーター・ストーメアも太ったライアン・ゴズリングみたいでかっこよかった。

*2:ジーンの入れ替わりは絶対レッドヘリングだと思った。