『バグダッド・カフェ』

DVD。
ラスヴェガス近郊の砂漠に建つモーテル/カフェに集う人々と、ドイツ人旅行者ジャスミンとの交流を描く。
ミニ・シアターブームの嚆矢なんつー話だったもんでもっとアーティスティックな作品かと思ってたけど、意外とシンプルでかわいげのある映画だった。序盤の斜め多用のカットとか、美術のレトロ感とか、あとは高名なる主題曲、「コーリング・ユー」の物憂い感じとか、作品を芸術性で飾る要素はいろいろとあったけど、それを凌駕して主人公ジャスミンのかわいげと、それによってもたらされる人々のポジティブな変化、そうした中心にあってシンプルな物語性に印象の強い佳作でありました。
アート系を期待してはいたので、後半のマジック・ショーのシーンで、ミュージカル映画じみてショーアップされた感じとか若干引いたけど、正直。でもブーメランとかは象徴的で美しかったし、要所要所で慨嘆を挟まれるサル氏の役回りも最高に可笑しかったです。
そんなに思い入れを持てる感じではなかったけど、愉しい映画でした。

バグダッド・カフェ 完全版 [DVD]

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