RADWIMPS 「シュプレヒコール」

14thシングル。
シュプレヒコール」は、音がかっこいい。サビ前の爆発力とそこから雪崩れ込むサビのカタルシスは、RADWIMPSというバンドの表現集団としての体幹を感じさせてくれます。
ただ、唯一神への信仰が終わりを告げ、また『絶体絶命』の中核で現実を射抜いた後で、これからどういう世界観を表現していくのか、それはこの一枚からはなかなか窺いしれないというのも事実。詞の達成だけで言えば、俺は「グラウンドゼロ」のが高いとこ行ってたと思うし。
その意味ではむしろ二曲目「独白」になぜか感涙させられたことの方が新鮮な感興だった。ポエトリィ・リーディング気味にバンドの来し方とメンバへの親愛を自分語る、ヘタクソがやったら目も当てられない路線だけど、普通に感動した。トラックのセンスもあるだろうし、単に俺がこのバンド好きなだけかもしれないけど、やっぱり野田洋次郎の天賦の才ってのが、一番大きい要素だと思う。
こないだ行った展覧会で、それより名前の落ちる画家たちの、それでも名品と言われる作品の中で、一目でルーベンスの絵が圧倒的だった、そんなことを思い出した。
オーラっつーか説得力っつーか、名付け得ない天賦のもの。

シュプレヒコール(初回生産限定盤)(紙ジャケット仕様)

シュプレヒコール(初回生産限定盤)(紙ジャケット仕様)