ネタバレ注意。
俺もいい加減ミステリ読んできたつもりでいたけど、これはちょっと見たことのない情報処理がされた、野心的なミステリです。
ある一人の女性が、それぞれ異なる六人の探偵に依頼を持ちこみ、順を追って語られるそれぞれの調査によって、ある事件の「5W1H」が浮き彫りにされる、というもので、このアイデアがまず卓抜ですね。容易に全体像を掴ませない事件、その「謎」の吸引力にぐいぐい引き込まれます。
魅力的な「謎」の常として、解かれてしまえば…という部分が否めないのも事実*1だけど、この情報処理*2の巧みさ、構成の斬新さにおいて記憶され、読み継がれるべき作品だと思います。
評価はB+。
- 作者: 岡嶋二人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1994/07/07
- メディア: 文庫
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