Perfume 『JPN』

4th。
なにげPerfumeの音源をマトモに聴くのが初めてだったのですが、完全にかっこよかったです。これなら売れなきゃおかしいし、始めから追ってたらもっといろいろと痛快だっただろうにと歯噛みする思いでいます。
14曲中9曲シングルというその通り、キラーチューンの大洪水。「レーザービーム」に始まって「ナチュラルに恋して」とか「ねぇ」とか、FMのモノラルサウンドで漫然と聴いていたのとはまったく違う、ヴォーカルとそのエフェクト含めたサウンドの奥行きとフリーキィさ、ニヤニヤしてしまいます。
統一された世界観が強固にあって、またその中でこそ埋め込まれたフックと個性が美しいグラデーションとして輝く、それは楽曲個々においても、またアルバムトータルとしても感じられる優れた構築美です。少なくとも気持ち悪いレベルの才能です、中田ヤスタカって人は。
とは言いながら、俺は「MY COLOR」「微かなカオリ」「心のスポーツ」あたりが個人的に好きでした。メロディに比重が置かれた、王道のポップスが好きなんだね。テクノ・ポップなのだから、もっと聴きどころ、シビレどころがあるのかとも思うけれど…。でも「MY COLOR」のメロはエモくて泣ける。
あとこのアルバム、タイトルが凄くいいと思います。現在のポップ・シーンへのアンチテーゼとしても、より広く社会的なメッセージとしても機能しているし、かつまたPerfumeらしい人工性・無機性も表現されていて。
これがメイド・イン・ジャパン、高性能エレクトロ・ポップ。アルファベット3文字の高らかな宣言です。

JPN(通常盤)

JPN(通常盤)