ネタバレ特になし。
解放出版社から出てた再編集版を、幻冬舎が文庫に落とした、という本らしい。
中高生の頃に『ゴー宣』は結構読んだけど、中でもこの「差別論」は一番真っ当で、説得力があると思う。東北の生まれで身近にこういう「差別」を体験したことがなかったから(今は地域に限らずそうなのかもしれないけど)、知識として知ってはいても、こうした敷居は低くインパクトは強く、という表現でその実感・証言を読めるというのは、啓蒙的な意味でも意義深い仕事だと思います。
毒にも薬にもならないようなことしか書けないけど、でも「穢多」「非人」てのは凄い言葉だね。言語に立脚した人間の想像力、その残酷さが極限にまで達した時のミもフタもなさというものを思い知らされる、精神の下劣の結晶ですね。
評価はB。
- 作者: 小林よしのり
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1998/08/01
- メディア: 文庫
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