伊坂幸太郎『陽気なギャングの日常と襲撃』祥伝社文庫

ネタバレ特になし。
前作は既読の伊坂作品で最も好きだったので、期待も高く買って即読んだのですが。
…うーん、空回り、かな。
俺が本読んでて声あげて笑うってのはかなりレアなんだけど、その可笑しさの主たる掛け合いは、相変わらず抜群に面白い。ちょっとトバしすぎの感もあるにせよ、久遠×響野は鉄板。

「てめえ、黙れ」男が言うが、久遠は大声を出している。「助けて、助けて、誰かボクシングのできる人。ボクシングの得意な喫茶店の人」
(239p)

うん、面白かったのはそれぐらいで、メインの事件のプロットも、前半の短編で展開されるロジックも、飛躍や牽強付会の感は強くてスベり気味。
まあ、期待が大きすぎたって話はあって、エンタテインメントとして水準にはあると思うけどね。
なんか最近熱のない感想になってきてるな。『ゴールデンスランバー』あたり、早く読みたいな。
評価はC+。

陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)

陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)