稲見一良『セント・メリーのリボン』新潮文庫

ネタバレ特になし。
短編集。
テーマは「男の贈り物」だってさ。なんか文字にしてしまうとちょっと気恥ずかしいけど、確かにどのお話にも、重厚にしてこまやかな文章の中に、匂い立つような「男の浪漫」が宿っているように感じる。これがロマンティシズムならぬ「ダンディズム」というものかーなんて感じ入りながらも、ベストの読者年齢層、適齢期には俺はまだ早いかなーなんて。薄っぺらい若造的には、以前読んで気に入ったハードボイルド・コメディライクな作品がなかったのが残念だった。
ベストは表題作で、この本とは別に『猟犬探偵』としてシリーズ本が編まれている動物探偵モノ。なかなかに感動的でした。
評価はＢ−。

セント・メリーのリボン (新潮文庫)