ネタバレ一応注意。
情緒不安定な退職OL(てのは変な表現だな)が、身近に起きる殺人と、まとわりつく「不思議の国のアリス」の幻影に悩むサイコ・ミステリ。
なかなかのリーダビリティはあって、スリリングだし、不条理だし、(心理的に)グロテスクだし、後味悪いしでなかなか愉しかった。ババアが作るメシも美味そうだ。
判然としない謎がいくつか残るのも、この小説には見合った処理だなあと思ったけど、西澤保彦が巻末で解説してくれちゃってる。いかにも彼らしい心理分析を駆使し、冷徹に加えられる「解釈」もまた、エピローグめいて読み応えがあります。
評価はB。
- 作者: 柴田よしき
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2000/11
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (5件) を見る