岩川隆『殺人全書』徳間文庫

ネタバレ特になし。
こんなもんを読みながら年を明かすのはいかがなものかと思いつつ、実生活時間で2009年最初の読了はこの800ページの大部。バラバラとか焼殺とか、ジャンルごとにひたすらの殺人者列伝です。
結構細かい取材がされていて、そのディテールの積み重ねは、みな等しい愚かしさから、やがて哀しみを経ておかしみへと至るグラデーションを描いている。なかなか。
「アサヒ芸能」に連載されてたらしく、俺そういう週刊誌に載ってる犯罪実録の読み物って、無駄なセックス描写で釣るイメージしかなかったんだけど、これにはほとんどない。硬派。さすがに阿部定なんかの項にはあるけどね。
評価はB−。

殺人全書 (徳間文庫)

殺人全書 (徳間文庫)