ネタバレ注意。
タイトルの通り、過去の探偵小説誌の文庫再編企画。
「探偵雑誌」属性のない俺でもその存在は知ってるぐらい、代名詞的存在の「新青年」ですが、編集方針として他で読めない作家をってことらしく、名前を知ってたのは小酒井不木くらいだった。
さすがにロジックゴリゴリの作品は見当たらず、トリッキーな趣向の心理サスペンス、という感じがほとんど。好きな傾向ではあるので序盤はよかったが、さすがの古めかしさと、繰り返される色恋からの刃傷沙汰に、後半はやや食傷してしまったのも事実。
特によかったのは小酒井不木(さすが)「印象」と竹村猛児(ダレ?)「三人の日記」。前者に描かれる妄執には震えたし、後者のテキスト・サプライズもあっけらかんとしてモダンだ。
その他もまあ、なかなか小粋な作品が多かったです。
評価はB−。
- 作者: ミステリー文学資料館
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2002/02
- メディア: 文庫
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