ヒキタクニオ『鳶がクルリと』新潮文庫

ネタバレ特になし。
つまらなかったです(最近感じ悪いな!)。
個性派揃いの鳶の一家を手伝うことになった元OLを主人公にしたコメディ。映画化もされたし、「本の雑誌」あたりでも評判上々だったし、なんつっても解説が古川日出男(!)だし、と期待はある程度していたのだが…。
キャラクタはうすっぺらいし、会話文の比率がやたらと高い文章も面白みに欠けるし、なによりそこかしこに顔を出す安っぽい批評性が厭だった。苦手なタイプの感性だ。
ようするに、古川日出男が称揚している「粋」を、俺はこの小説に感じられなかったのだね。
評価はC。

鳶がクルリと (新潮文庫)

鳶がクルリと (新潮文庫)