ネタバレ一応注意。
センテンスの短い、硬質の文章は馳ノワールの演出上の特長だが、
売女、ポン引き、売人、酔っぱらい、ガキども、ミニスカートの女たち、客引き、やくざ、流氓、おまわり。歌舞伎町の真ん中を突っ切った。腰に黒星。ポケットに薬莢。靴には血痕。勃起した男根。
(11p)
ってのはさすがにやり過ぎやろと思った。最後なに韻踏んじゃってんだよw
相変わらず徹底して感情移入を拒む硬派で迫力に満ちたノワールだが、今回は中心となるキャラクタのセクシャルな変態性がイキ過ぎのように感じられた。最初は安楽椅子探偵的な存在として、やがてはフィクサとして、圧倒的な存在感を見せる前作の主人公、劉健一のキャラクタは際立っているだけに、そうした夾雑が残念だった。ラストのモノローグとかね、滅茶苦茶かっこいいのに。
作品の評価はB。
- 作者: 馳星周
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2000/10/01
- メディア: 文庫
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