L.プレスコット/吉澤康子(訳)『あの本は読まれているか』東京創元社

ネタバレ注意。

パステルナーク『ドクトル・ジバゴ』をめぐり、冷戦下の米ソで繰り広げられるドラマ。

端整でせつなくて、悪くない小説だとは思う。特に映画的に洒落たエンディングは素敵だった。でも全体的に暗いし、片方のイデオロギィに寄りすぎではないかと。スパイ小説ってそういうものなのかもしれないけど、でも俺はCIAの皆さまの活躍にテンション上げられない。邦題もちょっとバイアス掛かってないか…「The Secrets We Kept」だよ原題。

でも『ドクトル・ジバゴ』は読みたくなった。残念ながらもはや現代では「読まれてい」ないみたいだな…手に入らないもの。

評価はC+。

あの本は読まれているか

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