探偵小説研究会(編)『2017本格ミステリ・ベスト10』原書房

ネタバレ特になし。
年次ランキングについては、井上真偽を読んだのと、青崎有吾は積んである既刊文庫をいよいよ読まねばと思っています。市川憂人*1も創元の営業さんがイチオシしてはったし…昨年に引き続き、新世代の作家さんが台頭してきてて、一時期の閉塞を脱してまた面白い状況になってきていると思われる本格シーンです。
その一方、刊行二十周年企画の二十年ベストで回顧に耽るのも愉しいことではあり。でも五位までで選べって言われたら、十周年の時のやつに足されるのは『イニシエーション・ラブ』ぐらいだなあ。『叫びと祈り』『天帝のつかわせる御矢』もいいセン行くけど食い込むには至らんな…なんて感じで、今回は史料的な価値も高いので手元に置いておきます。
あ、テキストでは祝このミス一位竹本氏の、作風と全く異なる軽いノリのインタヴューが面白かったです。プレ新本格の時代の様子も窺えてなかなか興味深かった。
評価はB。

2017本格ミステリ・ベスト10

2017本格ミステリ・ベスト10

*1:つか前十周年のアンケートで西澤鬼推ししてて、共感した人だなあ。デヴューおめでとうございます。