萩尾望都「ポーの一族 1」小学館文庫

不老不死の「バンパネラ」の一族を描くファンタジィ。
裏表紙「歴史的傑作」の惹句に恥じない、まさに傑作です。
繊細で華麗な描画と、詩情に溢れて美しいモノローグと台詞で織りなされる、芸術体としての少女漫画。作家としての美質は他の作品と共通しているけど、この作品の「バンパネラ」という中心モティーフはそれを発揮するのにこの上なく好適と見え、本作を一段抜けた伝説の高みへと押し上げていると思われます。
偶像的な女性陣の魅力が印象的で、メリーベルはそりゃイコン化必至だわと思われる愛らしさだし、リデルもかわいかったけど、個人的にはエルゼリさんのせつなさに一票。シーンで言えばエドガーがクリフォードを撃ちに来る前後の場面、構図から何から神がかっててヤバかったわ。
2巻3巻と買って読みたいんだけど、それはミイラ獲りがミイラってやつなんだよね…。

ポーの一族 (1) (小学館文庫)

ポーの一族 (1) (小学館文庫)