円居挽『丸太町ルヴォワール』講談社BOX

ネタバレ注意。
京都を舞台に、古来より伝わる「双龍会」での丁丁発止が描かれる(私設)法廷ミステリ。本ミスでもいいセンいってたような記憶*1があって。
同い年の京大ミス研出身作家、またもコンプレックスが若干疼きます*2が、なんか感性の違う感じで、まあそれはそれで(逆に)よかった。
…という意味のない慨嘆はおいて。ロジックを玩弄する手つきとか、叙述トリック・どんでん返しの乱打、そうした本格としての偏執性は支持できるものでしたが、それぞれのクオリティはそれほど高いものとは思われず、またそれが機能する「場」としての「双龍会」も、そこに蠢く多士済々のキャラクタたちも、ラノベ的な浅薄の誹りを免れないものと感じました。俺が麻雀知らないのは大きなハンデかもしれないが、それにしてもこれやるなら、古野まほろレベルのエクストリームを見せてほしいのです。
なんかコレだと、自意識過剰の逆転裁判みたいでした。
評価はC。

丸太町ルヴォワール (講談社BOX)

丸太町ルヴォワール (講談社BOX)

*1:調べたら2011版の8位。あんまだな。

*2:京都/京大に関する自虐がナルシスティックで鼻につくのも僻みであらうか。