柴田よしき『R-0 Amour』祥伝社文庫

ネタバレ注意。
』の続編。
これ単体では話まったく決着していないので、評価といっても難しいのですが。
でも…満たされない妻/主婦の鬱屈が破滅を呼ぶ、というこの(柴田よしきお得意のフェミニズム、そのある意味で極北の)プロット、この先に何か面白いものが待っているとは思えないというのが正直なところ。

 気持ち悪いこと言うなよ。おばさん。
 男たちの声が聞こえた。笑い声が。蔑みが。懸命に誰かのため、自分以外の人のために尽くし続けた時間の果てに、はじき出され、足で蹴られる自分が見えた。鏡の奥。そこに立っている、この醜く老いさらばえ、皺だらけになって、男たちがもう勃起する対象に出来なくなった自分の姿。
 何かが間違っていたのだ。何か、とても大切な何かをあたしは間違えた。
(256p)

近藤史恵の『shelter』もそうだったけど、祥伝社にこの傾向強い気がする。厄介な編集でもいるのかね。
評価はC。

R(リアル)-0 amour (祥伝社文庫)

R(リアル)-0 amour (祥伝社文庫)