ネタバレ特になし。
三冊持ってるうちの最後の一冊。
前の二作はこれとこれだけど、それよりはなんぼかマシになったかな、という印象。
相変わらずエピソード過多、描写過多で、小説としてはクドすぎてまったくスマートじゃないけど、盛り込まれてるネタを鑑みれば、その筆質は作品の「情念」「妄執」の演出に貢献していると言えなくもないかな、てなことを思った(まどろっこしい)。
でもスマートさはともかく、クレバーさが感じられないのは、俺としてはミステリ失格。後半の謎解きとかまったく整理されてなくて、真相の貧相さが丸出し。日本語もところどころ変だったりして。
あとは知的障害をもった女の子がレイプ(…厳密には違うが)されたりとか、生理的に無理な部分がある。『バトル・ロワイアル』への林真理子選評みたいで甚だ不本意ではあるけれど、こういうことを考える作者自身が厭。こういうのをラディカルだと思ってやってるなら、だいぶ恥ずかしいだろ。
評価はC。
- 作者: 望月諒子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/08/20
- メディア: 文庫
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