米本和広『カルトの子』文春文庫

ネタバレ特になし。
カルトにおける「チャイルド・アビューズ*1の実態を追ったルポ。
オウム、エホバ、統一教会ヤマギシ会の「子どもたち」の実態。下世話なのぞき趣味ではなく、「子ども」に真摯にフォーカスして、発達医学・発達心理学的な知見を含み、また広く現代の「チャイルド・アビューズ」に普遍性を得た達成であると思う。下世話なのぞき趣味で読んでた自分を反省しました。
特に「ヤマギシ会」については、著者自身奪回・救出運動に深くコミットしていることもあって、多彩なインフォーマントの証言があり、記述も詳細で読み応えのある内容になっています。三重に行くとよく施設の周辺を通るのだけど、見る目が変わりそうだわ。
評価はB。

カルトの子―心を盗まれた家族 (文春文庫)

カルトの子―心を盗まれた家族 (文春文庫)

*1:これを「児童虐待」と訳すのは意味内容を限定してしまう、とされている。