椎名誠『とんがらしの誘惑』文春文庫

ネタバレ特になし。
多分、バイト時代に店長から貰ったものだと思います。「あんた本好きやろ」とか言って段ボール一箱貰った記憶があるので。
文春連載のエッセィ集で、そりゃ週刊誌連載だからネタは身の回りの細々としたものが多く、他愛のないものも多いです。でも椎名誠は初めて読んだのですが、イメージ通りの大らかさ、読んでいて心地いいのは確かでした。紀行趣味にもストイシズムがカケラとしてなく、非常にいい感じのヌルさです。
作中断トツのベストは、やはり著者自身も自画自賛、「マサコよ責任をとれ!」だろうけど(まったく同じ設定・展開のコントあるいはコメディドラマありそうだね)、俺は《これじゃあ「地方安ホテルこまごま修理人」じゃないか。》(158p)って文章にも腹抱えて笑ったよ。
評価はC+。