山本甲士『かび』小学館文庫

ネタバレ特になし。
企業城下町に鬱屈した日々を送る主婦が、夫が倒れたのをキッカケに、その大企業に喧嘩を売るお話。
確かに痛快ではあるし、主婦連や企業人のせせこましさもよく描けている。「いい感じに厭な感じ」ではあって、今までのこの作家の作品中では随一だろう出来。
…ただまあ、根本的な問題として全体に漂うチープさはいかんともし難く、なんで俺はこんなもん読んでるんだろうという自問に答えはなかった。
いつものこと。
評価はC+。

かび (小学館文庫)

かび (小学館文庫)