牧野修『ファントム・ケーブル』角川ホラー文庫

ネタバレ特になし。
ホラー短編集。表題のプロローグとエピローグを付け足して連作っぽく仕立ててありますが、関連性は見出せません。
なんでこんなダサい表題付けたんだ、とは思いましたけど。「スキンダンスの階梯」「死せるイサクを糧として」とか、各短編のタイトルは素敵に禍々しいのに。でも中身は大概がホラー・スプラッタなので、興味は持てませんでしたとさ…ならなんで買ったんだよ(今更)。
一か所酷く気持ち悪い描写があって笑った。

 乾いた唾液の臭いがするエレベーターに乗って六階のボタンを押した。病気の犬のようにぶるぶる震えながら箱は上がっていく。
(303p)

やっぱこういう暗ーいイメージ描出させると巧いね。
評価はC。

ファントム・ケーブル (角川ホラー文庫)

ファントム・ケーブル (角川ホラー文庫)