『魍魎の匣』

@109シネマズ名古屋
クリスマスのメインイベント。
めんどくさいから簡単に書こう。
原作の質にも多くを寄るが、前作よりも格段にエンタテインメントとして「観れる」映画になっている。「派手さ」では京極夏彦作品では一、二を争うものだから。しかしあの長大な原作を二時間に纏めるにあたって、全体的に散漫な印象はあった。原作を読んだのはなんだかんだで10年も前のことなので、具体的な脚色について述べるのには再読が必要だが。とりあえず原田眞人は割と正直に撮ったと思う。ところどころのコメディ描写も前作にはなかったサービス精神。
しかしなんだろう、「四肢切断」と「匣」という主要なモティーフが、結局グロ描写に止まってしまったのは残念なところ。原作にあった「おかしみ」のようなものを映像化するのは、至難の業だとは思うが。「ほう」ってそんな言い方かよ、と。頼子の活躍は気分が悪くなったねーw。あとは京極堂が全然落とせてない。もっと喋れよ、とりあえず。
キャストについて。椎名桔平as関口巽は割と良かった。前作の長瀬の方がイメージとしては合うが、それが体現する「関口らしさ」を僕は蛇蝎の如く嫌っているのでね。まあこの作品では大した見せ場がないのも事実で、たとえば『塗仏』に至ってどうか、という問題はある。しかしそこまで続くかは甚だ疑問。黒木瞳宮藤官九郎はそれぞれハマってたのでは。特に後者は妖しくて素敵でした。
最後に最大の問題を。中国でロケしたらしいが、舞台がはっきりと中国の田舎町にしか見えない。嫌いな雰囲気ではないのだが、大失敗だと思う。
…あと音楽が割と酷い。特に前半。
…あと木場ってあんなんだっけ?
…キリがねえな。