G.ガルシア=マルケス/野谷文昭(訳)『予告された殺人の記録』新潮文庫

ネタバレ一応注意。
南米の村落コミュニティで起きた復讐殺人事件を描いた作品。
アホほど面白そうだった梗概に抱いた期待が十全に満たされたとは云い難いものはあるが、作中に漂う風格と、独特の美しさは、さすがの巨匠という印象。陰惨でありながら、どこか祝祭めいた非現実感のある雰囲気が面白いと思う。
まあ、このテの「巨匠の有名作品」に関しては、客観的評価と、「それを読んだ」という満足感とは分別するのがなかなか難しいですけどね。
作品の評価はB−。

予告された殺人の記録 (新潮文庫)

予告された殺人の記録 (新潮文庫)