伊吹亜門『幻月と探偵』角川文庫

ネタバレ注意。

1938年の満州革新官僚岸信介の秘書の毒殺に始まる連続殺人に、私立探偵・月寒三四郎が挑む長編。

実在人物も含め、舞台立ては好みにズバリだったのだけど、なんかこう、いまいち刺さらないものを感じた。柳広司なんかに共通する、クレバーで小器用な作家がまとめた小説、って印象なんだよな。

もっとこう、「業」を読ませてほしいんだよな…なんつったらイチャモンですよね、はい。

評価はC+。