松下竜一『松下竜一その仕事 18 久さん伝』河出書房新社

ネタバレ特になし。

大正期のアナキスト、和田久太郎の評伝。

反骨の日本人書かせたら、やはり右に出る者なしと思います。革命を目指す人々の熱や避け得ぬ哀しみ、その中心にいるズボ久という男の飄然の魅力を伝えて間然としない名著です。堀口直江との関係とか、そのまま映画になるようでした。

映画と言えばギロチン社の面々、特に古田大次郎にも興味湧いてきたんよね…やっぱ『菊とギロチン』からかな。周縁に興味が広がっていくのも、よいノンフィクション作品の証明かと思います。

評価はB+。