浅野いにお『浅野いにお短編集 ばけものれっちゃん/きのこたけのこ』小学館ビッグコミックススペシャル

第二短編集。

浅野作品を文学性において規定するリリシズムとクリティシズムは、「TEMPEST」「きのこたけのこ」といった作品で先鋭化していて、なかなかの衝撃作と言える。一方で「画」の部分においては、『世界の終わりと夜明け前』にあった、青春/恋愛との絡みでカタルシスを見せる手法が後退していて、それが好きだった読者としては物足りなく感じた。

まあ、そんな議論からは離れた、「さよならばいばい」「としのせ」といった小品も悪くないし、なんにせよいい作家ですよね。