ネタバレ注意。
山中の無人の家で、ひと組の男女が失われた記憶を探索する、一幕劇ミステリ。
遺された日記というテキストに託して、なかなかトリッキィなことやってはいるけど、新味という点はみとめられない。「墓」ってファクタが提示されてすぐ「クノッソス宮殿」なんて遥かにスケールの大きい例示があるのは雰囲気を壊してるし、沙也加が倉橋家に引き取られる経緯とか、プロットの詰めに甘さも見受けられる。虐待云々、沙也加の造形もちょっと安直に感じられたけど、ラストの余韻はまずまずだった。
…売れっ子に対しては、どうしても点が辛くなります。
評価はC+。
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/05/14
- メディア: 文庫
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