小林泰三『家に棲むもの』角川ホラー文庫

ネタバレ注意。
ホラー短編集。
なんとなく、これ以前の作品集やあるいはこの本の中でも、イマジネーションに同工異曲的なものを感じて新鮮味に乏しかった。その中で表題作は「家」ホラーとして気合入った出来と思うけど、さらに「お祖父ちゃんの絵」の方が非常にクレイジィで、また語り口がマッチしてて個人的にはベスト。
この人の本は、ミステリ的な興趣を期待して買っていたんだけど、この本にはあいにくと希薄だった。「五人目の告白」は比較的そういう狙いが見える作品だけど、ラストがグダっててちょっと厭。《「産ませてよ!!」》ってのはモロに懐かしの「ごっつ」半魚人コントを思い出して笑ったけどな。
評価はC。

家に棲むもの (角川ホラー文庫)

家に棲むもの (角川ホラー文庫)