パスピエ 『幕の内ISM』

2ndフル。
エレクトロ・ポップ・ロック。もっと相対性理論っぽいかと思ってたけど、よりデジタルなロック寄り。
テクニカルだし、音楽的に感性の尖りも感じられて、ポップ・アルバムとしては聴きどころの多い快作。特に「とおりゃんせ」は持ち味が完全に良い形で表出した完全無欠のポップ・アンセム。そっからよりギラギラしたディスコ・ロック「MATATABI STEP」への繋ぎはこのアルバムの白眉です。
ノビシロに期待する部分があるとすれば、詞作にいまいち惹かれないのと、ハイトーンでキュートなヴォーカルが立ち過ぎると声優ロックみたいに聞こえる部分があるとこかな。エフェクトかかってない素のヴォーカルの時に特にそのリスクがあるようにも思うけど、アルバム中では異色に真っ正直なポップ・ソング「七色の少年」においては詞曲のよさでそれが気にならないので、こういう路線もたくさん聴かせてほしいなあと思いました。