西村京太郎『名探偵が多すぎる』講談社文庫

ネタバレ注意。
旅客船上で起きた殺人事件に、かの名探偵…明智小五郎エラリィ・クィーン、ジュール・メグレ、エルキュール・ポアロ…四人が挑む、というパスティッシュ作品。
上の四人だけでも豪華な仕様だけど、対決するのはアルセーヌ・ルパンと怪人二十面相の連合軍、というインフレかとも思われる豪華絢爛、サーヴィス精神に溢れたエンタテインメントです。愉しく読んでればいいのであって、ウィットの部分で物足りないとか言うのは野暮。ああ野暮。
実際、きっちり読ませる作品ではあると思います。錠をかけるためだけに船を急停止させる、という捨てトリックなんか、そのあまりにも明白な否定材料まで含めて面白くて、「本格」成分も担保されていると感心しました。
評価はB。

名探偵が多すぎる (講談社文庫 に 1-5)

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