ネタバレ特になし。
ワケあって理論社を読む。
「カネ」をメイン・テーマにした自伝エッセィ*1。率直で力強く、また大らかな語り口で読ませるが、やっぱり序盤が面白かった。地方の閉塞感、階層格差とその再生産、「格差社会」なんて単語がごく最近の社会トピックなどでは決してなく、ずっとこの社会に巣食い続けている病巣だとまざまざと分かる。そこに灯をともす「真夜中のドーナツ」のエピソードはまた泣けるんだコレが。
なのでそこからのブレイクスルーを果たすのが中盤以降となるわけだが、なんか拙速でパワーダウンして感じられたのは残念だった。サクセス・ストーリィはサラリとやりたい、恥じらいだとすればそれは好ましいけれど。
こないだの新刊で文庫になってたけど、みうらじゅん『正しい保健体育』も文庫にしてくれんだろか。よりみちパン!セも、いい叢書だったんだよね…。
評価はC+
- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2008/12/11
- メディア: 単行本
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