『コクリコ坂から』

試写会@名古屋市公会堂
別にジブリファンでもアニメファンでもないし、監督の力量に懐疑の声しか聞いたことがなかったので、まったく期待していないままの鑑賞でした。「ジブリの新作」に対する期待とか、『ゲド戦記』(未見)と比べてどうとか、だからそういうのはまったくないのですが。
…なのでむしろ、傷口は浅かったのかな、と思います。端的に、何をやりたいんだかよく分からないアニメ映画でした。青春恋愛ストーリィにしては起伏もキャッチも乏しいし、60年代的ないなたさを感じるには脱臭されすぎていると感じました。「カルチェ・ラタン」の雑然とした雰囲気や、町のレトロサイケな色彩感など、「風景」に気に入ったアニメーション表現はありましたが、それだって『鉄コン筋クリート』とか思い出してみれば、別に大したものではなかったですね。
平板なキャラとストーリィの合間を、ひたすら音楽で埋め立てた、ミュージカルのなりそこないみたいな演出も、正直いたたまれないものがありました。