the pillows 『Once upon a time in the pillows』

ベスト・アルバム
Rock stock』の方は以前レヴューを書いたけど、その後も聴き倒して、やっぱり凄く良かったので同発のこちらも買ってきました。
で、こちらもやっぱり凄く良いのです。「Funny Bunny」や「ストレンジカメレオン」といった、ロック・クラシックに列せられるべき超名曲とまでは至らずとも、ベテラン・ロックバンドの安定感と、若々しく瑞々しい高揚感・疾走感を兼備したロック・アンセムの佳曲揃いで、おおいに堪能しました。
ギターの疾走感で押す曲が個人的には凄く好みで、「バビロン 天使の詩」、「その未来は今」(ちょっとサビは物足りないけど)、「サードアイ」、「MY FOOT」(ベスト曲)といったアッパー系の曲には何度聴いてもアゲられます。
メロディもさることながら、要所要所で顔を出す、シンプルなれど喚起力のある詞がとても好ましい。《狂いそうな好きな色で遊ぼう》(「GOOD DREAMS」)、《だって嘘みたいなことも/キミなら叶えそうだぜ》(「I know you」)などなどなどなど。キレのいいことばとメロディの交錯が、山中さわおというソングライタのエヴァーグリーンな才能を雄弁に伝えてくれます。

煙のような街で眠って
喉が渇いてるだけじゃないさ
'終わりだよ'って'あきらめな'って
僕には聞こえない
ただ風が騒いでじっとしてらんない
(「バビロン 天使の詩」)

なんかもう、「このぐらいの名曲ならいくらでも作れるぜ」って貫禄すら感じさせますね。信頼に足るロックバンド、正にそういう感じでしょう。

Once upon a time in the pillows

Once upon a time in the pillows