山原義人「龍狼伝 1-5」講談社漫画文庫

お盆の処分キャンペーン。
中学生が三国時代にタイムスリップして、「三国志」の世界で(なぜか)めちゃくちゃ活躍するファンタジィ活劇です。小学校の卒業記念の図書券で、コミックスを買い集めた記憶がありますね。懐かしいけれどなぜ文庫で全巻揃ってるのかは謎。
さて、もはや説明の要とてない大傑作『蒼天航路』を通過した後では、どうしても子供向けの印象が拭えず、深みや凄味の部分での見劣りは致し方ないとは思うのですが、この単純な勧蜀懲魏の構図、それは『蒼天』であんなにもかっこよかった夏侯惇曹仁(…はまあ微妙かw)の、フォローのしようのない悪人面含めて大いに鼻白んだりもし。荀紣の毒にも薬にもならない感丸出しの造形も泣ける。逆に趙雲の単独決死行とか今さらどうでもよかったりしたけど、まあしょうがないです。
いかにも少年マンガライクな「仲達」の私軍(?)の設定とか、最初はどうでもいいと思ってたけど、赤壁の直前で周瑜との密通をにおわせたり、オリジナルな展開があって興味深くもあった。残り半分を赤壁でいくみたいだけど、こういうのを全面に出した方が面白そう。
絵、最初は見れたもんじゃねぇけど割とすぐ安定します。

龍狼伝(1) (講談社漫画文庫)

龍狼伝(1) (講談社漫画文庫)

龍狼伝(2) (講談社漫画文庫)

龍狼伝(2) (講談社漫画文庫)

龍狼伝(3) (講談社漫画文庫)

龍狼伝(3) (講談社漫画文庫)

龍狼伝(4) (講談社漫画文庫)

龍狼伝(4) (講談社漫画文庫)

龍狼伝(5) (講談社漫画文庫)

龍狼伝(5) (講談社漫画文庫)