GRAPEVINE 『TWANGS』

10th。
やっと聴いた。
前作『Sing』あるいは前々作『From a smalltown』は、これから思い返してみればいたってメロウな仕上がりだったんだなーと。このアルバムははっきりと乾いてブルージィな仕上がりだと思います。濃密さは相変わらずだし、

光より先を見てしまえば
叫び声追い越して見失うのさ
(「疾走」)

なんて最初の曲の入りのフレーズからめちゃくちゃかっこいいんだけど。
すごくオトナっぽくて、すごくオトコっぽい、ちょっとアホみたいな言葉で形容すれば「ダンディ」なアルバムだと思います。音像もそうなんだけど詞がすごくかっこいい。バインの、と言うか田中の詞って、せつない系の曲以外は掴みどころがない印象が強かったのだけど。

闇を引き裂くだろう
空を切り取るだろう
街を彩るだろう
この手に残る
あの魔法があれば
(「Twang」)

旅立ちの日 きみの睫毛は
時計の針に勝てる気がしたのに
ああそうか もう時間だ
(「小宇宙」)

…かっこいいね、これ。
でもなんか、ところどころ田中の豊かな女性遍歴が窺われる気がしたなーw だから「ダンディズム」という形容に一抹の胡散臭さが漂うのだろうね。
まあめちゃくちゃ聴いたフェイバリットの前二作に比して、アンセムが少ないのは不満かも。あとは新機軸として全英語詞の曲があるのだけど、バインの魅力の一端は、日本語を英語的にメロディに乗せる作法にあったんじゃないかと思ったりもし。
一番好きだったのは「フラクタル」。結局センチメント系。

Twangs

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