the HIATUS 『Trash we'd Love』

言わずと知れた、ELLEGARDEN細美の新バンド。
ベースにウエノコウジ、ドラムに柏倉隆史(!!)、キーボードに堀江博久ですぜ、なにこのメンツ。だけどホントごめん、ギターの人だけ俺よく知らないw
これだけの猛者が揃ってバンドとして鳴らすという、その「奇跡」に対する期待を1mmも裏切らない、高性能で鮮烈なロックが鳴っています。「Ghost In The Rain」のイントロ、鍵盤のフレージングを聴いただけで、既に名盤との確信は揺らがなかった。
こういうのを書かせたら当代随一の、メロディックな高揚感に満ちたソングライティングと、それに詞作とボーカリゼーションによってシリアスさと色気を加味していく細美の音楽作法、そこに一流も一流のプレイヤであるメンバが独自のキャラクタを持ち込んで、なおバンド・アンサンブルとして鉄壁のものを作り上げています。アルバム通して印象深いのはやっぱりドラムとキーボードだけど、「The Flare」のギターなんてめちゃくちゃかっこよかった。ライヴじゃ多分、卒倒する。エルレにおいてはたとえば代表曲「ジターバグ」や「Missing」のように、聴き手に寄り添って鼓舞するような楽曲に表現の真髄があったように思うが、このバンドの楽曲はより音楽に殉じている。アートフォームとしてのロックの、一つの理想形だと思います。
ちょっと物足りないと思ったのは唯一、細美の一面でのキャラクタである「キュート」な曲がなかったことかな(エルレで言えば「Marry Me」的な)。まあでも、このメンツではその持ち味は殺されるだろうw そのせいか、「ユニコーン」という曲、どうしても『ハチクロ』における鳥取の回が重なってしょうがなかった。だって「ユニコーン」だぜ? ≪一緒にいて君を幸せにしたかっただけ/いまではもう無理なのかな≫なんて訳詞に、無駄にせつなくなってしまったりして。多分つか絶対違うし、当たってたらむしろ厭すぎるけどw
そして、ライジングで一回観ただけだけど、細美武士という音楽家のロック・ヒーローとしての天性は、なによりライヴにおいて空恐ろしいレベルで発揮されるのですが。それに加えて柏倉の鬼ドラムも観られるというのですよ。ライヴ行きてー!!

Trash We’d Love

Trash We’d Love