ネタバレ一応注意。
本領と言えるクライム・バイオレンス小説。闇金ものでこそないが。
ところどころでの文章の違和感、あまりにベタベタ、そうでなければ戯画的に過ぎる*1キャラクタ造型とドラマ性と、小説としての欠点は少なからず目に付く。だけどこの作家のこういう小説の場合、全編を覆ってハードでダークなバイオレンスとピカレスク・ロマンティシズムに浸るべきだと思うし、ややスピード感に欠けるきらいはあるにせよ、そのパワーと迫力はエンタテインメントとしては高性能だと思う。
ただし、これはノワールではないと思う。描かれる闇に吸引力やディープネスを感じない。
評価はB。
- 作者: 新堂冬樹
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/10/12
- メディア: 文庫
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*1:「歌舞伎町の虎」!