谷川史子「清々と 1」少年画報社ヤングキングコミックス

ド直球の乙女系青春マンガ。
舞台はお嬢様女子高です。裏表紙にもあるのですが、本当に「心が洗われ」ます。
ストーリィはいたってシンプルなもので、百合の気配も爽やかに、基本的にはポジティブな作品です。言ってしまえば単純。でもそれがこうも鮮烈に胸を打つのに、やはり一流の作画、その「あたたかさ」の魅力は大きいでしょう。本っ当にいい絵です。二話の表紙絵なんて、見てるだけで笑い泣きですもの。
登場人物は皆いい子でそれぞれとてもいとおしいのだけど、この人の「巧さ」を一番感じるのはおじいちゃんキャラ。て言うか作者自身が描くの楽しいんだろうね、おじいちゃん。よくある少女マンガの、美少年にヒゲとシワつけただけの紛い物とはレベルが違う、とてもキュートな枯れ方です。若い時分のエピソードが不要に思えたくらい、東郷先生は素敵でいらっしゃいました。
ナンバリングタイトルなので、「次に期待」もできるのが嬉しいですね。

清々と 1 (ヤングキングコミックス)